みりんとは
みりんの原料は、もち米・米こうじ・米焼酎(または醸造アルコール)です。酒税法の定めるみりんの定義には、「米及び米こうじに焼酎又はアルコールを加えてこしたもの。また、これにその他政令で定めた副原料を加えてこしたもの」とあります。「その他政令で定める副原料」とは、とうもろこし・ぶどう糖・水あめ等で、白米の2倍まで使用できることになっています。
蒸したもち米と米こうじ・焼酎を仕込むと、米焼酎(アルコール存在下)で、米こうじが造るアミラーゼによってもち米のデンプンが糖分に変化し、また、たんぱく質がアミノ酸やペプチドなどのうまみ成分に変化します。
そして、圧搾して出来た液体(みりん)をさらに熟成させるのが、伝統的な古式製造法で造る黄金色をした丸みのある味わいのそのまま飲んでも美味しい純米本みりんです。
みりんとみりん風調味料は違うもの
純米本みりん | 普通の本みりん | みりん風調味料 | |
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原料 |
もち米・米こうじ・ |
もち米・米こうじ・ |
ブドウ糖・砂糖・ |
製造日数 | もろみ90日、 |
もろみ30日、熟成60日 |
調合して、出来上がり |
アルコール |
約14% |
約14% |
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特徴 |
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純米 本みりん |
原料 |
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製造日数 | もろみ90日 熟成300日以上 出荷まで1年以上 |
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アルコール | 約14% | |
特徴 |
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普通の 本みりん |
原料 |
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製造日数 | もろみ30日 熟成60日 出荷まで3ヶ月程度 |
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アルコール | 約14% | |
特徴 |
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みりん風 調味料 |
原料 | ブドウ糖・砂糖 アルコール・発酵調味料・ 化学調味料・食塩等 |
製造日数 | 調合して、出来上がり | |
アルコール | ほとんど無い 発酵調味料は9〜12%含む が、食塩2〜3%も含む | |
特徴 |
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純米本みりんとは
もち米・米こうじ・米焼酎のみで造り上げた混ざり物がないみりん「古式三河仕込 愛櫻純米本みりん」は、「三河みりん」の復刻品であり、元来の古式製法に準じ醸造しております。
原材料は・もち米・米こうじ・焼酎の3つ。
・もち米:愛知県三河産(ひよくもち)
・米こうじ:うるち米愛知県三河産(あいちのかおり)、種こうじ(国産)
・米焼酎:本格焼酎(乙焼酎)(国産)
のみで造り上げています。
仕込み配合は、創業当時の祖父の貴重なメモより、濃厚仕込みになっています。通常の増醸みりんは、仕込んで1ヵ月~2ヶ月前後、純米みりんでは3ヶ月前後で搾りに入ります。これに対し弊社の古式純米本みりんは、6ヶ月前後の長期もろみとして熟成させ、搾り上げています。そのぶん、色も濃く、うまみ・甘みが従来のものとは比べ物にならないほど濃厚で味わい深いみりんに仕上がっています。搾りは、糟(ふね)と言われる昔ながらの佐瀬式の袋搾りをしております。もろみを酒袋と言う袋にひとつずつ丁寧に手詰めをして、積み上げていきます。
もち米
米こうじ
米焼酎
三河みりんとは
200年以上前に現在の愛知県碧南市で造り始められました。
原料に、もち米・米こうじ、そして一番の特徴である、近隣の清酒蔵から出る酒粕を用いて造る香り豊かな米(粕取り)焼酎のみを使い、60日〜90日のもろみ期間を経て、糟搾り後300日以上長期熟成させた天然醸造本みりんが三河みりんです。(近年では、日本酒生産量の減少に伴い、酒粕がひっ迫し、粕取り焼酎の生産量が減少したため、焼酎(米焼酎)でも造られています。)
愛知県碧南市では、戦後は25軒前後のみりん専業の業者が立ち並んでいました、現在では5軒のみが昔ながらの製法で造っています。
三河みりんの最大の特徴は、「米焼酎」です。一般的にはみりんの製造には「醸造用アルコール」を用いますが、愛櫻純米本みりんは「米焼酎」でみりんを製造しています。
ところで、「米焼酎」がどのようなものかご存知でしょうか?
米焼酎は、九州北部を中心に発達し全国の清酒蔵で製造されていました。その中でも特に「米(粕取り)焼酎」は、新しくできた栄養価の高い酒粕をそのまま蒸留する方法と、籾殻を混ぜて蒸留する方法があり、前者を吟醸酒粕焼酎、後者を正調粕取焼酎と呼んで区別しています。しかし、太平洋戦争後、「カストリ」と呼ばれる粗悪な密造酒が出回り、本来の「米(粕取り)焼酎」のイメージが悪くなってしまいました。その後、一時は下火になっていたものの、最近は吟醸粕を使ったフルーティーなものが増えたことや焼酎ブームに支えられ、復権しつつあります。「愛櫻純米本みりん」では、この粕取り焼酎入りの米焼酎だからこそできる、豊かな香りをお楽しみいただけます。
碧南市の醸造業について
愛知県三河地方は気候風土・原料事情・上質な水の環境が整い、米・麦・大豆などの穀類が沢山作られる肥沃な土地である三河平野があります。また、西三河にある碧南市は、隣町に日本のデンマークと言われる安城市があり、穀類をたくさん作っています。この辺りの西三河では、この穀物を原料にした食品加工業が盛んなところです。その中でもこうじを造り加工した発酵食品である味噌・醤油・清酒・みりん等が沢山造られる場所です。
特に我が町碧南市では、みりん・白醤油・味噌・たまり醤油の産業が江戸時代から発達してきました。海に面し、原料や出来上がった製品を船で容易に運ぶことが出来たことから醸造産業が発展しました。
みりんの効果
「みりんの成分」には次のものがあり、調理効果に作用します。
①グルコース、オリゴ糖などの糖類
②グルタミン酸、ロイシンなどのアミノ酸
③乳酸、クエン酸などの有機酸
④フェルラ酸エチルなどの香気成分
これに加え、焼酎(アルコール)が料理に嬉しい効果を発揮します。
①照り、ツヤを出す
②旨味やコク、上品な甘味を付ける
③臭みを消す
④味の浸透をよくする
⑤煮崩れを防ぐ
「愛櫻純米本みりん」の使い方
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お酒
昔は甘いお酒として親しまれていたみりん。ソーダなどで割ってハイボールやカクテルとしてもお楽しみいただけます。
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みりんシロップ
みりんのアルコールを飛ばし、煮詰めるとシロップとしてもお使いいただけます。
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スイーツ
砂糖やはちみつの代わりに、天然の甘味料としてお使いいただけます。ヘルシーで低GIのため、血糖値の上昇も緩やかにします。
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ドリンク
果物と合わせてサングリアやスパイスと煮込むチャイシロップなど、さまざまなドリンクにも利用できます。
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料理の隠し味
和食だけでなく、洋食や中華の味付けにお使いいただけます。
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ソース
マヨネーズやドレッシングも、みりんで作るとヘルシーな仕上がりになります。
愛櫻とは
大正13年に現在の杉浦味淋のみりん蔵が経つ愛知県碧南市で、創業者「杉浦定次郎」が「愛櫻」と言う看板でみりんを造り始めました。
MIRIN 杉浦味淋 ~職人の顔~ ドキュメンタリー
再起をかけて挑み、奇跡の復活を遂げた、みりん職人の物語。