みりん仕込みレポート【持ち込み米編】
5月1日 九州某社からの委託で造るみりんを仕込みました。
今回のみりんは、愛櫻ブランドではなく、九州某地の「郷土の名産」として道の駅などで販売されるみりんです。
九州からみりんの材料となるもち米、米麴用のうるち米、そして焼酎が一括で持ち込まれ、完成したみりんは全て某社に送り返す「持ち込み米」プライベートブランドみりん。
材料は持ち込みですが、製法もレシピも弊社独自のものです。数あるみりん蔵の中から、この「味」を選んでいただけたことは誇らしく、また、小回りのきく小さな蔵だからこそ、ご要望にお応えできるのだと、丹精込めて仕込みを致しました。
工程はいつも通り、蒸し上がったもち米を、温度を下げながら米麹と混ぜて、焼酎の樽に入れて撹拌します。しかし、小ロットなので、全工程手作業!少ない人数で、時間との勝負の作業はチームワークがかなめです。
- まずは、もち米を蒸します。小ロットとは言え、ちょっとしたジャグジー(風呂)くらいの大きさの蒸し器で蒸気をあげて蒸される様は、もち米の香りとともに今から始まる作業にワクワク!アドレナリンが出て参ります。
- 熱いうちにシャベルで蒸し器から出し、米麹と混ぜながらもち米を広げて、同時に扇風機で風を送って温度を下げていきます。米麹は、持ち込まれたうるち米を原料に、既に弊社でいつもの通りの工程で育てました。通常の量の仕込みの場合は、温度を下げながらもち米を広げていくベルトコンベア的な機械を使用しますが、今回は手作業。
作業担当者は、背後から扇風機の風、目の前はもち米の熱気で暑いのやら寒いのやら、・・・
- ある程度混ざったら、焼酎のタンクの中に入れていきます。
もち米の塊りができないように、タンク内を巨大マドラーで、混ぜていきます。物干しざお級のサイズで先端が四角く塊りを砕きやすくなっている木の棒です。
アルコール度数40度の焼酎がなみなみと入ったタンクは、覗き込んだだけで、むせるよう!
息を合わせて焼酎のタンクに投入!人力の流れ作業なので、2人で混ぜ、持ち上げられる量に分けて流れ作業で行います。十数回で全てのもち米の投入が完了。
- やがて、タンクの中は、もち米と焼酎が混ざったリゾット状態に。これを「もろみ」と呼びます。
- タンクが密閉され「もろみ」は半年間かけて、甘いみりんとなっていきます。
九州のみなさん、郷土のお米が美味しいみりんになって里帰りするまで、しばらくお待ちくださいね。
全国のお米産地のみなさま、
みりん屋では、このようなオリジナルブランドみりんの製造も承っております。興味のある方は、お問合せ下さい。